核融合工学研究プロジェクト

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大型高磁場超伝導マグネットシステム研究

 核融合炉の大規模超伝導マグネットシステムには、100 kA級の大電流高性能超伝導導体が要求されます。そこで、金属系低温超伝導材料であるニオブ3スズ、ニオブ3アルミや、酸化物系高温超伝導材料のイットリウム系などの線材を素線とした大電流導体の設計研究を行っています。特に、近年では高温・高磁場中でも大電流を通電可能な高温超伝導線材を用いた導体開発の研究が盛んであり、核融合炉用マグネットの巻線に適した高温超伝導導体の研究を実環境試験によって進めています。一方、核融合装置の大型超伝導コイルでは、巻線導体やコイル容器に巨大な電磁力が印加されます。電磁力によって材料にかかる応力を正確に評価し、安全に支持する構造の研究をしています。合わせて、超伝導マグネットシステムの巻線・製作方法についての工学設計を進めています。

図: 研究開発中の実用・高温超伝導導体
それぞれ(左)HTS-STARS導体、(中央)FAIR導体、(右)WISE導体と名付けられ、設計コンセプトは異なるが、テープ状の高温超伝導線材を積層させてヘリカル型コイル形状に巻くことを目的としている。

図: 大口径高磁場導体試験装置
(直径700 mmの空間中に13テスラの強磁場を発生可能な超伝導ソレノイドコイル)