低放射化構造材料研究

 核融合炉の構造材料はプラズマからの放射線と熱、そして冷却材の圧力に耐える必要があるため、優れた強度特性が必要です。さらに、メンテナンスや廃棄物処理の観点から、中性子照射による誘導放射能が速く減衰する低放射化元素を選んで用いるため、広く一般的に用いられる鉄鋼材料などとは異なる新しい材料開発が必要です。核融合工学プロジェクトではその候補材料としてバナジウム合金などの新材料の研究開発や炉内機器と炉外機器の間の異なる材料を接続するための接合技術の研究開発を行っています。また、材料の強度や寿命を評価するための試験装置を整備し、プロジェクト内部のみではなく、様々な大学や研究機関などと連携して多様な材料の開発研究を進めています。

低放射化バナジウム合金(NIFS-HEAT-2)の166 kgインゴットとレーザー溶接材及びその断面結晶組織
 
クリープ変形(高温環境で、比較的小さく一定の果汁でも徐々に変形が大きくなっていく現象)とクリープ破断寿命を調べるための装置軍群

図:低放射化バナジウム合金(NIFS-HEAT-2)の(左上)166 kgインゴットと(左下)レーザー溶接材及び、その断面の金属結晶組織の写真(右)材料のクリープ変形(高温環境で、比較的小さく一定の荷重でも徐々に変形が大きくなっていく現象)とクリープ破断寿命を調べる装置群